2年前に起業届を出し、自分で仕事をするようになってから、お金に関する本を読むことが増えました。
そんな中、まだまだ勉強中の身に嬉しいご縁があり、今回、著者で税理士の原尚美先生より「マンガで分かる管理会計・はじめてでもわかる儲けのからくり」をいただきました。
読んでみて感じたこと、勉強になったことをレビューします。
実家のせんべい屋にも生かせるか!?管理会計
今回読ませてもらった本は、コロナウイルスの影響で経営難に立たされた父親の和菓子メーカー「さくら製菓」を救おうと、主人公の女子高生・桃子が管理会計を学びながら奮闘するストーリーがマンガで描かれています。

私自身はWEBに関連した仕事をしているのですが、実家は3代続くせんべい屋を営んでおり、コロナの影響、和菓子メーカーというキーワードが気になりました。そして、実家の経営の役に立つかもしれない!という考えで読み進めました。
私は数字にめっぽう弱く、残念なことにスーパーで割引表示があってもなかなか頭のなかで計算できないレベル。主婦として家計の管理もやっているのですが、とんと自信がありません。
そんな状態なのですが、本書を読んで何を理解できたのか?何を学べたのか!?何が生かせそうか!?についてまとめました。
本書の主題・管理会計とは?
管理会計とは、辞書で調べると
「企業などの組織の経営者や管理者に対して、経営上の意思決定や業績管理に役立つ情報を提供することを目的とした会計。予算管理・損益分岐点分析・原価計算などの手法を用いて経営管理に活用される。」
という小難しい言葉が出てきますが、本書から言葉を抜き出すと
「利益を生むために未来の数字を予測する会計」
「会社の進むべき方向を予測してくれるもの」
と書かれています。
1冊読み進めるとわかってくるのですが、まさに管理会計を理解していると、経営に関する判断を数字から正しく読み取り、正しく選択できるのだと思いました。
社会人になったとき、数字を読んで正しく目標を立てろと言われていましたが、若かった私(数字=嫌い、意味不明という意識でした・・・)はその言葉の意味すら理解できませんでした。本書を読んで「管理会計の考えのもと、どうすれば利益を最大に生むのかを考えて企画しろ」と言われていたのだなと理解しました。
この管理会計を社会人1年生いや、高校生のころから学んでいたらかなり考え方が変わっただろうなと思いながら・・・今からでも遅くない、実家の稼業だけでなく今後のビジネスに生かせるチャンスの1冊だと思いました。
経営者やリーダーに求められるもの
会社経営における経営者やリーダーに求められるものは「数字に基づく科学的な予想」だとしっかり書かれていました。
「きっとお客様は喜んでくれるだろう」「きっとこれで売れるだろう」などの「だろう経営」では、特に今の時代危険だらけ。
そこで必要になってくるのが「管理会計」の考え方だということが分かりました。
主人公・桃子が、まだ高校生なのに大事な自分の親の会社を守るため奮闘している様子が描かれているのですが、その中で何回も「あ!見える部分だけの数字で判断していては会社がもっと窮地に立たされていたかも!」というシーンを度々目にします。
例えば、さくら製菓が作る和菓子「さくら饅頭」と「さくら最中」の事件。
銀行からはさくら最中を倍増するようにと言われています。
しかしさくら饅頭のほうが利益率がよく、簡単に考えるとさくら饅頭のほうが利益を得られるように思います。
ここで登場するのが、管理会計の「利益が最大となる選択をする」という考え方。
利益率だけで選択するのではなく、この話では「限界利益」(商品を売った時の利益の最大値)についてレクチャーがあります。
限界利益の算出方法、限界利益がもたらす効果などがマンガでレクチャーされた後、「さくら饅頭」と「さくら最中」どちらの限界利益が大きく、将来的に利益をもたらせてくれるか、販売に力を入れるべき商品が何かというのを数字から正しく判断することができます。
こういったエピソードが何回か管理会計の考え方にそって描かれていて、経営者やリーダーに求められる考え方を学べます。
実家のせんべい屋経営に生かす方法
一通り読んでみて、最初にお伝えしたように数字に弱すぎる私は、すぐに実家の商品で計算してみろと言われると、ごめんなさい、まだできません・・・。という状態です。
しかし、実際に力を入れるべき商品選択に出くわしたり、改善が必要となったとき、経営を拡大するための計画を立てるときは、この管理会計に基づく考え方が必要なのだというところまでは理解できました。
本書の中には、例題があったり、桃子と一緒に表や公式を使って考える場面が多くあるので、それを何回か繰り返しながら今後も理解を深めたいと思います。
まとめ
マンガで分かる管理会計「はじめてでもわかる儲けのからくり」を読んだ感想を紹介しました。
数字が出てくる物語は、一瞬で興味をなくしてしまうのですが、マンガで描かれていて、メインの登場人物も女性、家業の和菓子屋を救うというストーリーだったので共感しながら読み進めることができました。
計算式が出てくると、ペンと紙をもって一緒に計算しないと私の場合は混乱してしまいましたが、普段からもっと数字の身近にいる方(経理やすでに会社やお店の会計を行っている方)にとってはものすごく分かりやすい本なのではないかと思います。
経営における判断には何が必要か、どういった基準を持つべきか、そこを学びたい方におすすめしたい1冊です。